結局、彼は自己保身の為に平気で嘘を積み重ねて行く小心者である。 これまで数々の映画の中でアンチヒーローが描かれてきたが、ここまでスケールが小さく、観客が感情移入できない主人公も珍しいのではないでしょうか？

しかし、それは裏返せば見ている我々にあまりにも似すぎているせいなのかも知れません。多分、自分も同じような嘘をつくだろうし、怪我をしたクリストに対する行動さえも・・・・きっと。 （注：クリストって名が意味深ですね。皆が快楽を求める為には誰かが苦痛に耐えねばならないとはね。）

とても後味の悪い作品でした。だけど妙に心に残る作品でもあります。