[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ルールというのは基本的に統治者が決めるものでしょう。多くの人をまとめる為にはどうしても必要になります。サイダーハウスでは、屋根に登ったり、寝煙草で事故が起きてからでは遅いので、あんなルールがたてられたのだと簡単に想像がつきます。なんでその程度のことに従えないのかが分かりません。
「赤信号はわたってはいけません」に「赤で渡ると気持ちいいんだよ」と逆らっているように聞こえるのです。
第一、現場の意見を反映させたいのなら雇用者と話しをすればいい。むかつくからといって、いきなりルールの書かれた紙を燃やしてしまうのは暴力的です。
一方、堕胎禁止のルールは統治者(大多数の住民の意志かもしれませんが)の倫理的な観念から決められたものです。受精した瞬間から人とみなすか生まれてからかといったところが最大の論点でしょうが、それぞれの立場意見の絡む複雑な問題です。
そうとわかっていながら強引に堕胎禁止にしまうのですから、これは思想統制面の大きいルールだと思います。そして堕胎したい当事者がルールに働きかけるには時間もありません(妊娠発覚から安全に堕胎できるまでの日数は限られています)。
差別的であったり人権を脅かすルールは直していかねばならないものですが、社会生活上の規律は必要です。何でもかんでも反抗するなら社会生活を送らないのが一番です。この映画ではその辺りを同列に扱って感動を呼ぼうとしているように感じて、納得できませんでした。
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