[コメント] 鬼火(1963/仏)
インテリの苦悩はインテリアだけじゃない。インテリを増やし、悩むことも教える。サティの音楽はまさしくインテルメッツォ(なんのこっちゃ)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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孤独を弄び、哲学にうつつを抜かし、愛を求める主人公。だが、彼の身近に存在する限りない温もりは感じることができない。そんな男。悲しい、寂しい、でも他人事とも思えない。「行動するより先にその結果を考えてしまう」自分もそういう一面おおありだから。
だが、映画の出来は噴飯もの。絶望に支配されているはずの主人公。その原因が全く伝わってこない以上感情移入などできるはずもない。それも想像せいってか。いや、映画を観て想像することは好きだが、想像してみようと思わない、その程度の映画なのだと思う。
キザでポーズを取り続けながら、絶望に陥っていると訴え続けている男。現実がつまらないからといって死を哲学する男。あなたにとって、人生とはそのようなものなのか?自らの存在が不確かだからこそ、そのために行き続けるものじゃないのか?
最後の主人公の行動も、監督の「どうだ、かっこいいだろう」という自己満足を感じざるを得ません。フランス映画特有の後味の悪さ(時にはほめ言葉になる)さえ感じられず、逆に映画としてうまく完成させたなあと(時にはけなし言葉になる)。
フランス映画の嫌な面が前面に現れた感じ。監督が勝手にしまくってる『勝手にしやがれ』の方がまだ好き。
こういうの、どうも苦手…?いいえ、嫌いです!
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