[コメント] 顔(1999/日)
「放浪記」だ。逆『西鶴一代女』だ。それにしてもよく吐く映画だ。
この映画は一人の女の成長物語である。
阪本順治の大胆な省略法(時には不親切ですらある)とリアリズムの視点には驚かされる。 これは細部に渡って徹底されているのだが、結末こそその象徴であろう。
いつも彼の映画は、良く言えば「余韻のある」、悪く言えば「中途半端な」、結末で終わるような気がする。 これこそ大胆な省略とリアリズムに裏打ちされたメッセージなのではないだろうか。
「映画は終わりだけど、主人公の人生は終わりではない」
一見地味な映画だ。 だが、後から考えれば考えるほど、よく作り込まれた映画だ。この監督が評論家受けするのもよく分かる。
でも、この映画は大部分が役者に支えられている。 これが藤山直美じゃなかったら絶対失敗していただろう。それに個性的な豪華脇役(特に男優)達。
このキャスティングだったら、宣伝すればヒットしたろうに。何故単館かなあ・・・一般受けしないか・・・
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