[コメント] X−メン(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
話は大戦中のポーランドから始まる。敵方ミュータントの大将はジュー(Jews)な方なのである。つまり、この映画はユダヤ人社会の内幕暴露映画として見ろってメッセージなのか??いやいや一旦そういうスイッチが押されてしまうとどうもそうとしか取れないシーンの目白押し。幼少より能力に秀で阻害されるガキども、もとい子供たち(すみません叩き上げのやっかみです)。彼らに能力の使い方を教える(英パブリックスクール的な米国の)プライベートスクール。そこで教えられているのはリベラルアーツだ。プロフェッサーX(= John Davison Rockefeller IV)、マグニートー(= David Rockefeller, Sr.)という設定か? この映画ではエグゼビア教授(プロフェッサーX)側がマグニートーを押さえ込むことに成功するものの、現実の世界では映画公開の翌年に911の事件があり、アメリカはイラク戦争へと突き進む。
まさかこの映画の主題は、アメリカの社会上層部に於けるユダヤ人の思想的政治的分裂への告発と好戦派に対する牽制ではあるまいに。そういえば「アメリカだけが問題だ」というセリフや、劇中に現れる中国とイスラエルの国旗までが何かの伏線に思えてくる。最後のシーンがチェスなのも意味深だ。次作の公開はイラク開戦の年なんだよな。どう展開していくのか興味津々です。
#本レビューは以下の書籍に触発されて書きました。
・ Danny Fingeroth "Disguised As Clark Kent: Jews, Comics, And the Creation of the Superhero" (Continuum International Publishing Group , 2007)
上記の本も大変面白かったです。
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