[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)
セルマを責めることはできない。だってセルマを取り巻く環境が厳しすぎるから。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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なんとも言えないやるせなさ。こみ上げてくる怒り。そしてこの怒りの向かう先はどこか? それはセルマに対してではない。セルマに降りかかる結果をまねいた環境に対してである。セルマの無知を差し引いたとしても、セルマを取り巻く環境はそうとう厳しい現実を突きつけるものである。結局のところ頼りになるのは自分だけであって、小さな幸せを手に入れるために些細な失敗さえ許されない。周囲に心ある者がいても、彼らにできることは殆どない。こんな厳しい環境があってのあの結末なのだ。自分だったらもっと上手く立ち回れたとも考えられない。だから私はセルマを責めることができない。そしてこのような環境のことを流行りの言葉で言えば「自己責任」の社会と言うのではないだろうか。大げさかも知れないが、社会とはどのような人達のためにあるべきなのか? などと考えさせられた。
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