[コメント] 大いなる幻影(1937/仏)
人々は「国籍」よりも「階級」で結びついていると信じていたフォン・ラウフェンシュタイン。だがそれは、20世紀にはもはや「大いなる幻影」に過ぎないことを、彼は身をもって知った。[新文芸坐]
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映画を見終った人むけのレビューです。
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それは、最後に死に行くド・ボワルデューと、2人で逃げおおせるマレシャル(フランス人)・ローゼンタール(ユダヤ人)コンビを対比するまでもなく明らかなことだ。
ルノワール監督は、第一次大戦を「紳士の戦争」と評していたそうだが、社会の変化とともにマレシャルやローゼンタールのような人間(いわゆる「紳士」ではない)までもが戦争に参加するようになったことで、それも単なるノスタルジーに過ぎなくなってしまった。
*** 以降余談 ***
『ゲームの規則』がルノワールの意に沿わない形でカットされたり上映禁止になったり、ネガが散逸してしまったりしたのは有名な話だが、本作も各国でカット・上映禁止の憂き目をみたあげく、ナチスによってネガを接収されてしまったとのこと。1958年にようやくナチスの倉庫から発見され、ほぼ完全な形で再上映されたという。ルノワール監督もいろいろと苦労してますね。
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