[コメント] オーロラの彼方へ(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「親から子へ」「子から親へ」、愛すればこそ勇気を与えたいという、ヒトコトで言ってしまえば愛と勇気の映画。ただほとんどと言っていいほど、このテの映画でタブー視されがちな「過去を変える」という筋書きに、真っ向勝負で挑んでいながらも、ちゃんとキッチリ面白くまとめているトコロを買いたい(ファンタジーは辻褄よりも、発想を重視するクチなので)。
さらに注文をつけるとすれば・・・。
できれば「死」の結末を入れて欲しかった(もちろん悪者が銃で強引に片づけるテのモノではなく)。いくらハッピーエンドと言っても、所詮オヤジも「生き長らえてる」だけなので、限りあるものをどう受け入れるのか、ということが入ってこないとこの話も消化不良のような気が(つーか単純に「別れ」がないとグッとこないってのもある)。面白くてもコレがないので、後々考えさせられるものが意外にない、という不満もアリ。
過去を修復することで全てを解決してしまうのは、逆に夢がないのでは、なんて思ったり。すっかり明るくなったラストの主人公を見ていると、過去を変えなきゃ主人公の屈折は治らんのかい、ってな感じもしてしまう。親子の奮闘記でせっかくお互い「勇気」を学んだのに、その使い道もなくなってしまうような。あくまでも困難に立ち向かったからこそ、成長したという筋書きも大切にしてもらいたかった。
ファンタジーとしては面白いんですが、この2つをクリアしないとヒューマン・ドラマとしては少々物足りないような気がしました。面白かったからいいんだけど。
(ここからは蛇足なんですが)個人的に希望するラスト。親父に再会できたのは良しとしても、ラストに(その数年後にあるだろう)親父の臨終シーンを持ってきてもらいたかった。結局はやってくる「死」を前にして、果たして2人のやってきたことは意味があったのだろうか、と疑問を感じさせつつも、その2人が共有した短い「オーロラの時間」にはきっとかけがえのないものがあったに違いない、と主人公の表情を見せつつ思わされる、なんて感じの。
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