[コメント] ペイ・フォワード 可能の王国(2000/米)
この監督ってけっこう異能だと思います。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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監督ミミ・レダー。これで3作品観たことになります(『ピース・メーカー』、『ディープ・インパクト』)。今回この映画を観て、コメントにある印象を強くしました。これらいかにもハリウッド然とした体裁の映画達、どれもジャンルとしては違います。ですが、特徴として通底していると感じるのは、人間性善説に基づいて非常に情緒的な語り口をしていることです。本当の意味での”悪役”が登場せず、最後は祖国や地球や家族の大切さ、命の尊さを訴える....。人間の狂気を顕在化させるようなドラマや、骨太の闘争劇を望む向きには、この偽善臭、甘甘な展開に辟易するかも知れません。実際、ワタシも最初はそうでした。ですが、作品を見ていくにつれて、監督にしてみればこれは偽善でもなんでもなくて、真剣にそうありたいと願っているんだなと思えるようになりました。そう考えると、どこかに感じていた違和感もなくなり、素直に受け入れられるようになってきました。そこまでして繰り返し人間の持つ善性を描く.....。そこにワタシはミミ・レダーの異能ぶりをみました。しかし監督自身も現実はそう甘くはないことは十分に心得ているはずです。あのラストは、そうした監督の考える”ユートピア思想”に傾きすぎるのを少しでも緩和しようとするバランスウェイトなのだと思えます。ですからワタシはあのラストを支持します。
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