[コメント] 荒野の七人(1960/米)
黒白であれば気にならないところだが、流れ者の七人が常に理髪店で顔を当たったばかりのように小奇麗な面を保っているのは興を削ぐ。衰退期以降の西部劇が全盛期のそれ(もっとも、これも一九六〇年の作だが)より明白に優る点は数少ないが、無精髭などで俳優の顔を汚すことが許されたのはそのひとつだ。
プロットの神話的な完成度と役者の充実に頼って、演出の仕事を感じない。簡潔というよりも淡白だ。また、役者が充実していると云っても、個々の働きに関しては『大脱走』や『続 夕陽のガンマン 地獄の決斗』と比較しない限りにおいてだが。ひとりユル・ブリンナーだけが後年の代表作と較べても遜色ないのは、細身の黒いシャツ・パンツという衣裳が際立って適合していることと無縁ではないだろう。
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