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[コメント] 山の郵便配達(1999/中国)

中国映画の目下のウリは、「悠久の大地に根差す人間ドラマ」?

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ひねくれ者で申し訳ないが、ひねくれ者から素直に言わせてもらうと、そんなカンジであったのです。

長い人生の道程をその脚で踏みしめてきた御父さんは「御父さん」の顔、何やかや言ってきちんと道理を弁えてるその息子は「その息子」の顔、ふたりの人生を静かに見守りそして万事無言で受け容れる御母さんは「御母さん」の顔。映画として脳裏に刻み込まれるような強烈なモノが(自分には)なかった。如何にも「中国の大地」ってカンジの風景は、どこかで見た(絵葉書のような)風景にしか(自分には)見えなかった。

冒頭、父子と犬一匹が歩き出す露に濡れた石敷きの道には、ちょっと胸が踊り掛けたけど。(自然の風物の音や、村の生活の音などの使い方は結構気を遣っているのかなとも思えた。)

一応「よいハナシ」ではあるので、(☆をつけるなら)取り敢えず☆3つ?…とも思えたのだけれど、それも不自然な力に抑圧されている(*)ようにも思えてしまったので、敢えて(素直な気持ちで)☆2つ。

余談:手紙が風で飛ばされちゃうところはじつはちょっと笑ってしまった(笑)。物語に入れ込んでないとこんな体たらくになってしまうのだろう。

*)「悠久の大地に根差す人間ドラマ」という懐古的で不変(普遍)的な主題(というイメージ)は、対外的に(一般的な)中国映画のウリとして機能していたりしないだろうか。そしてそれは対内的には政治的に現状肯定的な態度を補完する役割を果たすものでしかないのではなかろうか。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)ぽんしゅう[*] peaceful*evening[*] makoto7774[*] むらってぃ大使[*] ペペロンチーノ[*] ハイズ[*]

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