[コメント] JSA(2000/韓国)
朝鮮半島の抱えている問題が日本人の想像を絶していることを知らしめただけで秀逸。
この映画は2つの見方があって、単なるサスペンスとしても十分楽しめるということ。スイス人の調査官を中心にサスペンス仕立てとなっているところがこの映画の大きな魅力ではないでしょうか。
そして隣国の日本人あるいは同じアジアの人間として見ると、やはり両国が抱えている根源的な問題がはっきりしてきます。調査官の生い立ちに立ち入ることで、この問題をさらに奥深くえぐっているところもいいですよね。
映画として見てもなかなか印象に残るシーンがあって、草原で初めて向かい合う両国の兵士の周囲を風がすーっと流れたりするシーンは見事だなあと思いました。同じ民族の間に風は吹いたんでしょうね。
大島渚がかつて挑戦しようとしてた世界に共通するような部分があって、これからこの監督の作品に注目したところです。
しかしこういう作品に出会えることで、アジアの映画がそれぞれの国で個性的に国民性をはっきりさせている点は興味深い。日本映画と比較するとかではなくて、それぞれの国の映画として楽しむことができる。中国映画、香港映画、そしてこの韓国映画にしても我々の知りえない世界が入ってくることに大変感謝したいですよね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (8 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。