予告編はなかなかよかった。ＣＧがすばらしい。顔面だけの女ロボットが横を向くところなんて、どうなってんのー、とやはり思う。本編は満員だった。忙しい私はお立ち見です、といわれてそれを承知で見た。見逃すと劇場で見る機会はないかもしれない。鉄腕アトムは天馬博士の息子、トビオ君が交通事故で死亡。その代わりに作られたロボットである。始めはかわいがっていたが、いつまで立っても成長しないので嫌気がさす。鉄骨で殴ったりする。鉄骨が頭の形にゆがむ。設定は似ている。だが、それに匹敵するシーンは見られなかった。ハーレー君は演技がうまい、と評判だが、私の胸には響いてこない（シックスセンスとの時もそうだった）。私は見ながら、どうも違う、とつぶやいていた（お立ち見のまま）。ジュードロウ演ずるジゴロロボットと逃げ回るシーンでは、光の様子が見慣れたＥ．Ｔ．と同じである。追いかけるバイクがもうディズニーランドのアトラクションしている。これは占い師もそうだった。なんだかテーマに会わずにはしゃいでいる印象。クローンのようにハーレー君がならんでいるところも、もう少し見せようはあるんじゃないか。それで２０００年である。針金をつるつるふくらましたような宇宙人（？）が出てくる。最後は母親と一晩添い寝する、ってことになる。鉄腕アトムには「世の中で一番平和な場所は母親の膝の上である」との名言がある。なかなかよい絵柄でした。鉄腕アトムを越えて欲しかった。私のもやもやはこうだ。これだけ見せる技術を持っていながらその使い方がミスマッチの印象。もっと低予算で、お母さんと一緒に寝たかった、という映画ならまだ納得する。見終わって２日たって、まだもやもやしていた。スピルバーグは「裸の王様」状態なのかも知れない、と本気で思った。ワンマン頑固な宮崎駿だってスタッフ、製作の言うことは結構聞き入れている。もののけ姫のメイキング（全３巻６時間を超える）を見るとよくわかる。一体どうなっちゃんだろう。スピルバーグはまだまだ監督作品を出すだろうから、次回作に期待したい。