[コメント] THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997/日)
私が見たことについての報告。
新宿の某映画館、パッと灯かりがついた場内には魂を抜かれたかのような少年少女が散見された。自分はと言えば、何故か上映前に声を掛けてきた小汚い風体のバイク乗りの兄ちゃん(北海道の田舎から遊びに来ていたらしい)と一緒に観ていた。兄ちゃんはテレビシリーズのビデオをちょっとみたというだけで、劇場版は時間潰しに観に来ていたらしく、さっぱり理解できんという風だった。(自分がテレビシリーズをみたのはテレビ東京の深夜特集の放映が初めてだった。正直初放映当時は、どうせまた過去作の再生産程度のことをしているのだろうと思ってみていなかった。)
渋谷の某映画館前、観終えた少年を出迎えた母親らしいオバサンが、「どう? 面白かった?」と声を掛けていた。それを聞いて、その“アニメは子供の娯楽”的な健全な良識から出たのであろう発言に、余程「いや、コレそんなアニメじゃないっすよ、お母さん」と教えてやりたかった。(子供と一緒に観たりしないそのお母さんは真っ当である。もとよりよい歳こいた大人が観るものではない。よい歳こいて観にいっておいて文句を言うのはお門違いではないかと思わないこともない。)あの少年にとっては、あるいは自分にとっての『幻魔大戦』以上のインパクトだったかもしれない。
個人的には、こういう思春期的な葛藤はある程度経てきた年代で観たわけで、揺るがされるようなことはなかったけれど、揺るがされちゃった少年少女の気持ちは分かる気がする。(「揺るがされちゃった」方が真っ当なのか、それともそれさえも貪欲に消費していく方が真っ当なのか、それはちょっと難しい問題。)
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