コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] じゃりン子チエ(1981/日)

TVも良いが映画だって負けていない。(05・11・06)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この映画版ではオープニングで巨大な下駄が空を飛んでいくんですよ。シュールやなぁ。チエちゃんとヨシエはんがテツに内緒で会って『ゴジラの息子』を観にいく場面が好きだ。新世界や心斎橋もロケハンがよく出来てるなぁ。高畑勲はリアリズムの人やね。風景だけで止めといたら良かったのに人物までリアリズムを追及して『おもひでぽろぽろ』なんかは上手くいかんかったね。この映画ははるき悦巳の原作の持ち味を生かした漫画映画やね。リアルやないけどどこかリアル。親子三人で遊園地へ行った帰りに南海電車の中でチエちゃんが眠る場面が映画的で良かったなぁ。画面が白くなってレールが浮かび上がって「ウチは電車で夢を見た…」とチエちゃんが独白する場面だ。あの場面は何度見ても痺れる。

 この映画の欠点はアントニオジュニアと小鉄の決闘をクライマックスに持ってきた事だろう。ここから映画が急に面白くなくなる。ヒラメちゃんの不在が決定的に痛い。あの決闘のエピソードを止めて電車の場面で終わらせるかヒラメちゃんの殺人的音痴な話か相撲の話、兄マルタの兄妹エピソードを入れるかした方が良かったと思う。マサルの声が島田紳助なのは嫌な奴という味があって映画版の方がリアルで面白かった。この映画の好きな人は余裕が無くても『じゃりン子チエ』TVシリーズーDVDーBOXを持っていて損は無いです。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (5 人)ユリノキマリ[*] けにろん[*] IN4MATION ぽんしゅう 水那岐[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。