[コメント] チェブラーシカ(1969/露)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
バラライカ・・・三角形をした民族楽器、その素朴な音色に心が和みます。この映画もそんなバラライカそのものな素朴な味わいがあります。
ワニのゲーナが主役的だけど、チェブラーシカのこの可愛さ、ただ者じゃない!決して、可愛いだけじゃなく、そこはかとなく哀愁を漂わせた味わいあるキャラクターが魅力。
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ロシアで流行っているというアネクドード(小咄)をひとつ紹介。
ゲーナとチェブラーシカは郵便で10個のオレンジをもらう。
チェブラーシカ「半分ずつ分けよう。僕が8個、ゲーナが8個。」
ゲーナ「それじゃあ10個にならないじゃないか?」
チェブラーシカ「そんなの関係ない。僕はすでに8個食べてしまったんだよ。」
・・・やっぱり、チェブラーシカはトホホな可愛さ。そして、こんな長い赤レビューを書かせたヤツ!ただ者じゃない。
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共産主義の理念を社会奉仕で実践するソ連版ボーイスカウト「ピオネール」
次の駅を降りても、199kmも歩いて帰らねばならないように、広大な大地を行く「シベリア鉄道」
元KGBのスパイだったとの噂がある「シャパクリャクばあさん」
明らかにモンゴロイド系の「チョウザメの密漁団」
たった60分なのに、ソ連の国民が抱える矛盾などの「光」と「影」を随所で垣間見ることが出来る。そして、やがて来る長い冬があるからこそ登場人物達に哀愁を感じる事が出来る。
ゲーナもチェブも、シャパクリャクばあさんに切符や荷物を奪われながらも、追っかけないし、荷物を返して貰ったときに「ありがとう」と言ったり、あまつさえ電車の席を譲ったり・・・。トホホなくらいお人好しなんですよね。
「お人好し」というより、これが”推奨する国民性”だと旧ソ連が手を加えたとは考えたくないんだけど・・・。
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