[コメント] 焼け石に水(1999/仏)
時代が一巡した前衛。舞台映画。『まぼろし』でも確認できる、シーンの繰り返しがビシッと決まっていて、クラクラしました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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舞台はずっと動かない、アパートの一室。密室にはドアはあるのに、ここから出て行く者はおらず、窓だけが下界につながっているかのように感じられる。
相対する他者により、どんどん変化する各人の役割。登場人物は書割のなかで右往左往するだけで、どこにも行かないという閉塞感が漂う。
同じシーン(というか、同じ状況)の繰り返しにより浮き出してくるのは、自我を追い求めた西洋的哲学への皮肉だと思った。「わたし」なんてものは、他者との関係の中の「役割」にすぎない。それのどこが悪い? というような。
この仕組みが、いわゆるところの前衛的。
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