[コメント] Wの悲劇(1984/日)
誰しも、その場その場で何かの役を演じているものだ。そんな自分が好きになれるか嫌いになるか、その迷いを乗り越え自分を受け入れることが大人になるということなのかも知れない。しかし、静香(薬師丸ひろこ)が幸福な選択をしたのかどうかは分らない。
かといって、青春期において昭夫(世良正則)の生き方はあまりに老成し過ぎているのかも知れない。さわやかなラストシーンを装いながら、二人は人生においてすでにある種の悲劇を選択してしまっているように思えてならない。まさにWの悲劇。奥深い青春映画だ。
澤井信一郎監督が、一挙手一投足までコントロールしたと思われる少女から女優へと飛躍する女を薬師丸ひろこは無心で演じきっている。その薬師丸本人の成長過程が、ストーリーとダブって映画自体に異様な迫力が加わっている。
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