[コメント] 冷静と情熱のあいだ(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
外国人をたくさん使って外国で撮った所で、所詮日本人が撮った現代の日本映画だと実感。一言で言うなら会話の上滑り。頭の中から捻り出されたセリフをそのまま台本どおりに読む役者たち。もちろんどこかで誰かが頭の中から捻り出さなきゃ脚本は生まれないから、そこを批難してるわけじゃない。でも現場で練られるうちにもっと肉がついたり生き生きしたりとか、ないのかよ!ベットで事後のひとときに、フィレンツェの聖堂で10年後に云々と約束するシーンなんて、気持悪くて鳥肌立ったわい。しかも声がやたら反響する(すべてのシーンがそう)のも耳障りでうざったいし。
誰でも二十歳前後に熱烈な恋に落ちることはある(?)とは思うが、その後何もなければそのまま忘れるもんだし、別に忘れて悪いわけじゃない。真の恋愛の情熱は、日常の積み重ねのうちに育まれるもので、これまで長く続いてきたから、今後も続くであろうと思えるものなんだ(と、本に書いてあった)。会わないで3年も4年もしたら、何もなくなるのが普通だよ(焼けぼっくいに火がつくということはあるにしても)。しかも同じ学校に通ってた設定なんだから、会おうと思えば会えたのに会ってなかったんだし。だいたい一人の女性のことをずっと思っていながら、上っ面だけで別の女性と付き合ってるなんて設定自体が狂ってるじゃんか。狂ってるよ!その女性に対してだけでなく、すべての女性に対して失礼だ!!(あ?俺、なんかハンサム・ガイ竹野内豊に対する嫉妬から怒ってないか?しかたないな)
ユースケサンタマリアが学生時代に出てこないのも変。父親に頼まれたくらいで恋人に相談しないで子供を堕ろすのも変。どっちみち流産だったとかいって、責任の所在を曖昧にするのはもっと変。お金返すのはちょっと納得。工房が閉鎖されて何年もしてから自殺する女先生も変。ミラノで何してるのかわからんマーヴ(あおいのイタリアでの恋人)も変。竹野内豊がイタリア語ペラペラなのも変(これはいいか)。変変変!変だらけ。
なぜかクライマックスが2度あるラスト30分はさすがにそこそこ見せたけど、もっと一つ一つの要素を掘り下げてくれよ!名無しのチェロ弾きなんか、すっげえおいしい役どころだったじゃんか!「いつも同じところで間違える」という設定まで持ち出してきてるんだから、クサイとわかってても何度も間違えるシーンを繰り返して観客の耳に覚え込ませてだな、演奏会のシーンではそこをなんなく通過して、上達と時の流れを感じさせる、ってのを味わわせてくれよ!この下手くそ。トーマス・クックで調べたら、フィレンツェからミラノに行く間に在来線を追いぬくインターシティなんてなかったぞ!(これは嘘。調べてませ〜ん) 「冷静と情熱のあいだ」なるタイトルなのに、冷静ばっかりで情熱がないじゃんか。情熱がないよ!
人が一生懸命作った映画を一言でけなしちゃ悪いと思うからここまで前を振ったけど、もう充分だろう、なんてくっだらねえ映画なんだ。
55/100(01/11/23見)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (13 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。