１日の出来事と固執するあまり、設定に無理が出てきているのでは？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アロンゾにとって、この日１００万ドル作ることは必須事項のはず（そうしなければ命がない）。ならばなぜそんな日に、誰とも分からない人間の研修など引き受ける？今日は重大なヤマがあるからシロウトの同行は無理とか言って断ればよかったのだ。そうすれば自分の仲間だけで事を運んで悠々と大金を手に入れられただろう。未知の人間を仲間に引き入れるなんてリスクをこんな大事な日に犯すわけがない（実際アロンゾにとっては最悪の人間が来たわけだ）。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのことに気がついたら、せっかく「狼になる」という決心をしたアロンゾの悪魔的魅力は後半まったく無効になってしまって、実にもったいないことをしたと思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正式にアロンゾの部下になった男が、最初は信頼していたがしばらく仕事を続けるうちに次第にやり方に疑問を感じ始める、という話でもよかったのでは？（そうすると『シドニー・ルメット』監督の諸作品と大差がなくなるかもしれないが）