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[コメント] 光の雨(2001/日)

映画の中の映画を描くことで、主観におぼれすぎずまた他人事では済まされないという体験を観客にもたらすことがこの監督の狙いなのであれば、それは成功したといえる(少なくとも私にとっては)。
terracotta

あさま山荘事件は聞いたことがある。でもその背景はよく知らない。そんな、劇中劇の俳優たちとそう変わらない世代なのである。正直に言うが、予備知識はほとんどない状態でこの映画を見た。

映画を見終わってすぐ、上杉と倉重について調べ始めた。上杉のモデルが永田さん、倉重のモデルが森さんだということがわかった。この映画の原作が完成するまでのいきさつも。そういったことすら恥ずかしながら知らなかった。でもそれらを調べてみよう、知りたい、と思ったのはこの映画のおかげだ。

俳優たちのほとんどが、この映画に出演するまでこの事件を知らなかったという。その彼らが役を演じる過程でなぜこんなことが起こってしまったのか。そのときなぜそうしたのかを考える姿に、私は自分を重ねていた。それはすなわちこの俳優たちと同じ、もしくはもっと若い世代の、予備知識のない観客にも、他人事としてただ漫然と見ることを許さない。これは映画の中の映画を描くという手法ではじめて可能なとてもよく考えられた仕掛けだと、見終わって随分たって落ち着いてはじめてそう思う。

さらに映画の中の映画として当時の事件を描くという構造をとったことで、当時の、そして現在の色々な立場の人々のこの事件に対する感じ方や意見が立体的に表現されているといっていいと思う。それだけの器がこの映画にあったと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ナム太郎[*] はしぼそがらす[*] sawa:38[*] けにろん[*]

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