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[コメント] マルホランド・ドライブ(2001/米=仏)

私の頭がどうかしそうだ
ミュージカラー★梨音令嬢

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは、「難解」だと思えた話に頭を悩ませた事でもあるし、反面たくさんの色が入り混じり、たくさんの音が入り混じる、官能的なまでに美しいリンチ・ワールドに酔って痺れて、おかしくなりそうな事でもある。

この映画が「難解」と思えたのは、最近連続してクリストファー・ノーラン監督作品を見たから余計かもしれない。ノーラン作品のよさは時間軸のずれた映像を如何にして繋ぐかでラストが見えてくるかというところにある。当然、この作品の後半部分もそういう感じで進んでいっているのかと思った……が、この映画はそれとは全く真逆と言っていい世界だった。「真実」が見え掛けた瞬間、それがスッと姿を消すのだ。まるで、リタの前から消えたベティのように……。どこを繋いでも最後に行き着かない、むしろ最初に戻ってくるような気さえする。正直訳が判らない。後半は固まった。……固まったが、逆に映像や音楽がするすると抵抗なく入ってくるような感じもした。酔ってしまいそうな程鮮やかな色、音楽、声、不鮮明な程鮮明な映像……。ここで、皆様のコメントを拝見させて貰って初めて判った。私にとってこの映画は考えてはいけなかったのだ。ただただ、リンチが与えてくれる魔法に身を委ねていればそれでよかったのだ。何度起きても、目覚めても、決して終わりのこない恐ろしい悪夢のように循環して繋がりゆく官能的な世界を体験するべき。それが、私に合った「リンチ・ワールド」の楽しみ方らしい。デビッド・フィンチャー様に対しては、それが素直にできたのだが、リンチに対してはいささか戸惑ったのかそれが上手くできなかったようだ(汗)。

これは、もう一度見るべき映画らしい。というか、終わった瞬間から既に思っていた。これが、彼の言うような「愛の映画」かどうかは私には判らないが、意味も判らず取り憑かれそうなリンチ・ワールド…恐ろしい。彼の魔法にかかった瞬間から、私はきっとこう思うのだろう。

「私の頭はどうかしてる」

《追記》 私の隣に座っていたおじさんが最後に近付くにつれ「ん?」を連発するものだから、気が散って仕方なかった。もう!とにかくどうでもいいからこの世界に酔わせてくれ!!……おじさんはハマりきれなかったらしい(私もだけどね…)

久しぶりに意味不明なレビューを書いてしまいました……。やっぱり…「私の頭はどうかしてる」……それで済ますなって?……失礼致しました(汗)。

(評価:★4)

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