[コメント] モンスターズ・インク(2001/米)
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愉快愉快、単純に楽しめた。チビッコ達と一緒に見たが、見終わった後、笑う所・驚く所・しんみりする所が同じなのに気付いた。今の子供が大人と同じ感性という事か、単に僕の感性が未熟なのか、それとも世代共通の感性にうったえるピクサー作品のスゴさなのか? ま、それはともかく最後は僕も含めてみんなニコニコだった。こういう映画は貴重だ。
どこまで行ってもCGはCG、ツクリモノ。「本物っぽくてスゲー」がウリならば最初から本物でやれば良い。大切なのはCGの為のストーリーでなく、ストーリーの為のCGである事。CGにしかできない事もあり、CGでなくてもできる事もあり、CGではできない事もある。当り前の事だ。なまじその技術の素晴らしさばかり、とりざたされ誤解されがちだが、ピクサー作品はそんな当り前を踏まえ、まず映画としての面白さ・骨組みをキッチリ組み立ててから、その肉付けとして一分の妥協のない一流の技術で描ききっていると思う。最近あまたと出ては消えていってるCG先行作品の成功の鍵はまず、この“当り前の事”が当り前にできているかどうかだと思う。○ァイナルファンタジー、○トランティス、○トロポリス、○イタンA.E.、○ストワールド然り...。
作品中のモンスターズインク社のCMに「最近の子供は映画やゲームの影響で驚かすのが難しくなってます」というセリフがあった。子供に限らず、また驚きに限らず、映画やゲームの受け手は笑いも涙も、受ける感情の一切が希薄になってきている。それは作り手側の、あればあるだけ使っちゃう過剰な技術表現の競争により、受け手の価値観が肥満気味だからだ。もうすでに「最新のCG技術!」なんてウリ文句にもならない。「みてみて、この技術力!すごいっしょ?」なんていう、オチャニゴシ的CGなんてのはもう通用しないのだ。すでにCG作品、実写作品、アニメ作品と分けるのもナンセンス。では最後に残るのは何か、それはCMの最後の文句「まごころこめて、おどかします」これにつきると思う。
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