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[コメント] ハッシュ!(2001/日)

正直、ここまで「はまる」とは予想だにしなかった…。きまぐれに吹き抜ける風にふわり…と舞う3枚の「木の葉」が、くるくるっ…と絡まりあう。そして光とまみえてひと時の「きらめき」を、実に心地よく爽やかに、目の前に提示してくれた。
ことは

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







導入部から、3人が出会っていく過程が、さりげなくてごく自然。これから3人がどう関わっていくのだろうという興味のもと、ぐいぐいと引き込まれていきました。

片岡礼子という女優はこの作品になくてはならない「核」となる存在感を示していました。彼女は格別に美しいわけでもなく、格別若いわけでもないのに(ごめんなさい)、彼女にしかない独特のオーラを、確かに解き放っていました。 映画の中の彼女の思考は、高橋和也が言うように、「絶対頭おかしい」のかもしれません。しかし、おそらく、自分に嘘をつくことなくすごく正直に生きているのだと思いました。

高橋和也のスパスパッとした言動が何とも小気味よいです。男らしい濃い顔をしていながら、あのしゃべり方をするからそのギャップに笑えました。彼の新境地を開いた作品となるのではないでしょうか。

個人的には田辺誠一に感情移入して、物語を彼の視点で見ていました。何事も真摯に受け止めてしまう性格に好感が持てました。優柔不断な彼の言動は、よく理解できるし、高橋和也のようにスパッと割り切れない性格に、自分でもいやになってしまう、そんな役どころを好演。かっこいい役だけでなく、こういう役柄のほうが、ある意味、彼自身の性格に近いのかもしれないし、はまり役ではないのかな、と思いました。

作品を観て、何と言うか、作品全体に「熱気」を感じました。今まで見た邦画にはない新鮮さ、心地よさ、爽やかさをこの作品からいただきました。

個人的にはつぐみが見れたので、プラス1点。彼女はどうせ「ちょい役」だろうとおもっていたのですが、けっこう最後まで絡んできたので、よかったかなと。かなり思い込みの激しい変わった女の子を演じていようが、まあ、観れれば、かまわないわけです。自分は仮に、ああいうふうに彼女に迫られたら、うれしいのに、何で田辺誠一は、あんなにあっさりと端にも棒にもかけずに断ってしまうの、と自分勝手に憤っていました。同姓しか好きになれないわけだからしょうがないですが。

(評価:★5)

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