[コメント] KT(2002/日=韓国)
佐藤浩市の動機が不明瞭なところがポイントやね。これはまさしく野良犬の物語。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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彼はなぜ金大中暗殺に加担するのか、最後まであきらかにされない。「これはおれの戦争なんだよ」とさけんだところで、なんで?とおもわずにはいられない。だから冒頭の三島への献花や原田芳雄とのやりとりが生きてくる。それはもはやイデオロギーの問題ではなく、自分の存在意義がかかっているのだ。組織からも国家からも見捨てられた日陰者の中の日陰者の闘いなんだ。
原田が「なにかのために生きるのも死ぬのもゴメンだ」というとき彼が本心を語っていないのは明白であり、佐藤もわかったうえで返答する。こういう場面にこの映画の本質があると思う。
それにしてもこの古臭い映像はいい。韓国人女性との邂逅も愛おしさにあふれてしまっているじゃないか。この画面のざらつきがなければどこにでもあるサスペンスで終わっていただろう。
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