[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)
主人公がピアニストであるという設定が十分に生かされていない。ポランスキーは自分の悲惨な戦争体験を映画にすることのみに力を入れすぎて、戦時下のピアニストの苦難を描くのを忘れている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストの4分間の長い演奏は、エイドリアン・ブロディ本人が引いたそうだが僕が感動するまでに至ることはなかった。なぜか?それは、「それまでの物語で主人公がピアニストとしての誇りや信念を戦時下の悲惨な状況でも失わず、ピアノを弾きたいという欲望を募らせ続けていた」ということを観客に判らせるための演出が足りな過ぎたためである。不可解なまでのドイツ人のユダヤ人に対する虐待が、随所に見られど肝をぬかされた。しかし、ただ悲惨な戦争を見せつけるのが目的ならNHKの「映像の世紀」のようにシュピルマンのドキュメンタリー映画を撮れば良いわけで、物語としての映画にする必要性がない。ただ、このような戦争映画には極端に自国民もしくはユダヤ人が善良な存在で敵国の人間、ドイツ人は悪辣なものとして描かれているものが多い中で一部分ではあるがドイツ人側に人間性を持たせたキャラを出していることは評価したい。
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