[コメント] HERO(2002/中国=香港)
歴史は変わらない。しかし、歴史を別の角度から学ぶことができる。歴史とは、過去の時間をある一面から見ただけのものなのかもしれない。「英雄」達に熱い思いと人間の深さを見た!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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秦の始皇帝が暗殺されないという事実を知っている我々は、無名がなぜ失敗したのかという視点から映画を見る。
最初に無名が話す陳腐なストーリーでは、長空、残剣、飛雪の3人の刺客があまりにも情けない人物として語られる。しかし、そのため嘘だと気づいた国王により、新たに3人の刺客の人物像が語られる。それは思いを遂げるために死をも恐れない強い信念をもった人々だった。 無名、残剣、飛雪は国王暗殺を果たせたのに、殺さない。ここに、この映画のテーマはあった。私利私欲を追求したのでは、国はよくならない。時として、自分の心も命も殺し、世の中の人々を救うことも必要なのだ。
国王は世のために、中国を統一する。そこが大事だ。自分のためではなく、世のためになのだ。現在の日本を振り返る・・為政者は私利私欲に走っていないか、世のために死ぬ覚悟はあるか・・・。2000年以上も前の刺客達の熱い思いには到底及ばないと悲しくなる。
無名は暗殺に失敗したが、思いは遂げた。あれだけの強さをもちながら、単なる人殺しにならなかった3人の刺客を尊敬する。そして、その思いを受け入れた国王も・・・。
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