[コメント] ゴジラ×メカゴジラ(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画を「ゴジラ(あるいは釈ちゃん)、カッコイイぜ!!」「うおー、燃えるー!!」と興奮して鑑賞するためには「特撮ファンとしてのフィルター(色眼鏡)」が必要なようです。
フィルター装着後=メカゴジラが跳ぶ!!おお~~カッコイイ~~釈ちゃん、男らしぃ~~! フィルターはずす=・・・・メカゴジ、跳んだのか??ってか、コレって止め絵じゃん。動いてないじゃん。切り張りした写真じゃん。釈ちゃん、細い~。細すぎて見ててかわいそうになる~~
つまりこれは純粋な「ファン向けの映画」であって、その「特撮言語」を理解する能力がないものにはかなりツライ映画である。
ツッコミドコロ満載の脚本。 ゴジラに勝ったら負けたら、ご飯をおごる、おごられるって・・・ゴジラに負けたらご飯どころか命もねえんだよ!とオールドファンはちょっと怒髪天になってみる。 隻眼の美貌の天才科学者も一瞬は登場するものの、彼が体現した愛も正義もすべてはこの映画の中で消費されてゆき、安っぽいものへの変質していく。
女性総理役の水野女神様だけが唯一の救いであった。 中尾彬はなんだか顔がゴジラにそっくりでそればっかりが気になって、話に入っていけなかった。
娘とオジギソウのエピソードなんてちゃんちゃらおかしいったらありゃしない。 人間を描けない監督には怪獣も撮れない。 日本の男の何処がダメなのか(マザコン?戦う美少女コン??「架空の存在としての少女」に対するロリコン???)を高らかに歌い上げた珍作。
「怪獣と日本人」という日本映画が持つ最大の映画的財産を、全く消化しきれなかったこの監督の罪は大きい。 日本人にとっての怪獣とはナニカ? 怪獣に襲われる事の意味とは?理由とは??を明確にビジョン化出来なければ、特撮映画の監督として失格である。
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