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[コメント] 青の炎(2003/日)

ロードレーサーについて
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分はかつてサイクリング同好会に所属しており、よく全国各地をランドナー(ロードレーサーを少し丈夫にした感じの旅行用自転車)で旅したものです。だからああいったロードレーサーみたいに特殊な自転車を扱う店にも時々出入りしていたのですが、店員さんってたいていはぶっきらぼうな人が多いのですね。知識ないのをいいことに平気で高い方の商品を買わせる人もいたりして、客を客とも思ってない人が多い。自転車のパーツを自分で勉強しないお前が悪いと言わんばかりでよく不快な思いにさせられたものです。

少し走ればわかると思うのですが、日本は自動車天国なのでまず自転車で快適に走れるわけないですよね。車道を走ればトラックに煽られ、歩道を走ればおばちゃんに睨まれる。そうやっていつの間にか自転車は肩身の狭い乗り物に成り下がってしまいました。これほど環境に優しい乗り物もないのにね。ロードレーサー乗りなんて自転車人口の1%ぐらいじゃないかな。ましてやロードレーサーって本気出せば下り坂で時速60Km近く出る乗り物だから中途半端に速くてトラックなどにウザがられているはずです。そんなマイノリティとして不当な扱いを受けているうちに自転車専門店ってあんなにぶっきらぼうな人が多くなってしまったのではないかと勝手に思うのです。あるいはそういう気質の人がロードレーサーを好むのかもしれません。(あくまで個人的な体験に基いた独断と偏見で書いているので関係者の方は気分を悪くしないでください。この前お世話になった下町の自転車屋さんはとてもいい人でした。)

何がいいたいかというと二宮和也をロードレーサーに乗せることによってぶっきらぼうで他人には容易に心を開かない人間像を鮮明に描くことができたと思うのです。これは非常にうまい演出だと思います(原作がただ単にそうなのかもしれないが)。中村梅雀が実際にロードレーサーを購入して彼の心情に迫ろうとするのもいい。あそこまでする刑事はいないでしょう。主人公が逃げられないと諦めたきっかけの一つです。これがスクーターだったら全然ダメだったと思います。思えばバイク乗りのクラスメートを刺し殺したのも日頃の交通戦争の恨みがあったのかもしれませんね。

(評価:★4)

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