[コメント] ソラリス(2002/米)
いろいろな人が、砂粒を積み上げるように作り上げた世界を、400文字以内とかでまとめられてしまった感じ。
何かを考え抜くことで到達する結果や結論も大切だけれど、「そこに至るまで」の過程こそ、失ってはならないものだと思う。ソダーバーグは、「そこに至るまで」をもう少し大切にしてくれる人かと思っていましたが……。
たしかに、これまでに積み上げられてきた概念のようなものは、原作・前作が生まれたときからずいぶんと時間が経過した現在では説明不要なものかもしれませんが、だからといって、すべてを鵜呑みにしたような、いっさいの疑問抜きといった描写がいいというわけではないでしょう。
あまりといえばあまりにも優等生的。
そしてやはり気になるのはソラリスの姿。いくつもの朝や夜がない。生きている感触がない。原作のもつローテクな描写に軍配が上がります。船内デザインも同様。
仏つくって魂いれず。あるのは空洞ばかりなり。
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