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[コメント] 修羅雪姫(1973/日)

あぁ、しまった!「キル・ビル」より先にコレを見ておくべきだった!!スタイリッシュで漫画チック。大真面目なのに作り物が過ぎてそこはかとなくおかしい。白い雪と鮮血をまとう美女という発明。
ボイス母

途中で入る七五調の講談(?)みたいなナレーションと言い、あまりにも無茶苦茶な設定といい、「なんだか漫画だねえ!」と思いつつ見るが、コレの原作は漫画だった。

ふざけているんだか真剣なんだか。唐突な展開とありきたりな復讐譚にやたら綺麗で存在感のある主演女優を使い、血がドバードバーと大盤振る舞い。 「綺麗なんだかグロなんだか」判断にかなり迷うが全体を通してみれば、「なんだか梶芽衣子タンがとーっても綺麗だったね」という印象しか残らないという不思議さ。

こんな_あからさまにハッキリ言えば、当時は「マカロニウエスタンみたいな中途半端に時代劇」みたいな受け取られ方で、多分、(天下の東宝作品という価値基準から見えれば)芸術的な評価は低かったであろう作品にも、何故か「美は宿っていた」という奇跡的な映画となっている。

ソレもコレも、原作の(昭和の絵師)上村一夫が描く、暗くシャープな世界を現実的な映画的な「絵」として提示できた、梶芽衣子の眼力の魅力によるモノである事は間違いないようだ。 「こんなスゴイ(演技力とか歌唱力とかはひとまずおいといて)女優がいたんだ」と遅れた世代は改めて感心する。

(評価:★4)

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