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[コメント] デブラ・ウィンガーを探して(2002/米)

コンセプトの勝利ではある。女優が女優をインタビューするから深い意味がある。それを思い付いたロザンナの着眼点は評価したい。しかしインタビューの中身が浅い!踏み込みそうになるとサラッとかわす女優たち。腹を割りそうで割ってくれない女優たち。女優だからだな。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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赤裸々にインタビューに答えてそうで答えてくれてないのが観ていて歯ぎしりしたくなる。しかし38人も女優が出ていれば心意気を買いたい女優も数名いる。潔くノーメイクを晒したロビン・ライト、整形についてチクリと釘刺すトレイシー・ウルマン、自然体でユーモラスに話すウーピー・ゴールドバーク、率直に他の女優を賛美するシャロン・ストーン、そして非常に自身の気持ちをストレートに解りやすく伝達するデブラ・ウィンガー。彼女らにはロザンナのやりたかった事の残像が見いだせる。逆にグィネス・パルトロウマーサ・プリプトンらの青い発言にはウンザリさせられる。自然体のようで、実は完璧にカメラを意識し唇の形まで気にしながら、息子を自賛するメグ・ライアンには苦笑。メラニー・グリフィスが撮影に自分の家を提供したのは、その代わり整形の話は一切しないわよ!という暗黙の取り引きでもあったと勘ぐりたくなる。また作品の意図とは別にバネッサ・レッドグレーブの子育て論や、自身の演技論をたっぷり話すジェーン・フォンダのインタビューは興味深い。ロザンナ自身も妹のパトリシアと登場するもI love youの連発で妙に姉妹愛を強調し空々しく,自身がちっとも赤裸々に語っていないのが微妙。結局、本作品を根本的に支持できないのは、彼女たちは一様に「ハリウッドはルックスで評価して年取ったらスポイルする!」と避難めくのだが、若い頃さんざんルックスを武器にしてただろーがっ!と彼女らを突っ込みたくなる矛盾。それにそもそも女優にせよ俳優にせよルックスで評価される職業であるので説得力に欠く部分。やはり本作に、知性派メリル・ストリープやグレン・クロースらの不在は痛い。

(評価:★2)

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