[コメント] デブラ・ウィンガーを探して(2002/米)
「家庭と仕事の両立」という、現代女性における普遍的なテーマからスタートしたにも関わらず、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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話は「女優であるが故に感じる性差別」から「女優の演技論」へと転がり、終いには「ロザンナ・アークェットの家族論」に着地。話が進むに連れてターゲットが狭まるっていうのはどうなんだろう。逆に「個人の問題を突き詰める内に壮大なテーマに突き当たる」方が面白いと思うんですけどね。
しかも女優たちが各々自分の言いたいことしか話さないから、テーマのブレと相まって、とにかく全体的にまとまりに欠ける。何ていうのかな、「なし崩し」っぽいんですよ。質問を投げかけている側であるはずのロザンナ・アークェットも、「語りたくてしょうがない」感じがプンプンしてるし。
まぁこれが結局「女優」っていう人種なんでしょうね。本来だったら「女性の社会的地位」みたいなところに帰結すべき話でも、「演じる」ことについて語らずにはいられないために、結局本筋すら変えてしまう。むしろその強さ、百花繚乱ぶりが面白い作品だと思いました。
その他のポイント。
・「仕事と家庭の両立」という質問を投げかけるロザンナ・アークェットに対し、「そんなことより」と弾き飛ばして「実人生」について語り出すエマニュエル・ベアール、その米仏らしいズレ。
・「女優にはスゴく美しい人しかいないの」みたいなことを言っちゃうマーサ・プリンプトン。
・キャサリン・オハラがよりかかっていた、デカデカと「臭」って書いてあるクッション。
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