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[コメント] トランスフォーマー(2007/米)

「こんな最新ロボットは日本製に違いない」 …確かに日本製だ。OEM生産だけどな。
すやすや

ロボットといえば本物もアニメも日本製。

しかしCGと映画はアメリカ製のほうが出来がいい…。アメ公がどれだけロボットのサムライスピリッツを理解しているのかを確認するために鑑賞。

というのは建前で。やっぱり実写で変形ロボットが大暴れするのが見たかっただけ。

そもそもマイケル・ベイ監督には1mmも期待していなく、前記の理由の通り変形ロボが見れればそれでOK。そういう意味では概ね満足できる出来だと思う。

しかしながら、やはりこの映画はスピルバーグに撮って欲しかったと思う。 ベイとスピルバーグでは見せ方の巧さがそれこそ100倍違う。スピルバーグは撮る前から観客の心理を誘導するように考えているのでカットのつながりに無駄がなく、画面の位置関係も把握しやすく、画面に集中して見ることができる。 しかし、ベイはカットごとのクオリティはそれなりに高いのだが、つながりを設計して撮影してないのでとにかく膨大に素材を撮りだめ、それを細切れにし、早いテンポでつないでいく手法をとる。故にスピーディーではあるが画面で何が起こっているのかわかりずらく、感情移入がしづらい。また、カットカットが短いのでシーケンスとして印象に残るシーンが少ない。

具体的にいうと「宇宙戦争」のトライポッドの初登場シーンとこの映画の冒頭、ヘリロボの攻撃シーンとを比べるとよくわかる。どちらも未知の巨大ロボが登場するシーンではあるが、見せ方が全然違う。 「宇宙戦争」のトライポッドは地面を割って登場した後、攻撃するまでに間があるが、この映画には間が全くない。 実はこの間が重要なのだ。バキバキと地面を割って登場したトライポットは逆光故にシルエットのみでディテールがよくわかない。この瞬間観客は「スゲーデカイ!」と思うと同時に詳細がよく見えないので「んん??」と画面をよく見ようとする。つまり心理的に若干前のめりの状態になるのだが、その瞬間にブォーンという異音と同時に、いきなり怪光線でバリバリバリと攻撃してくるでものすごくびっくりするのだ。スピルバーグはこのように観客の心理の押し引きをするのがとても巧い。 対してこの映画の演出にはそういう駆け引きは、全くない。ヘリは変形し終わったと同時に攻撃してくる。しかも画面を爆発で埋め尽くすので何が起こっているのかよくわかない。ただ派手なだけ…。

カットごとではCGデザイナーの心意気を感じる素晴らしいカットがあるのだが、前後の演出がまったくないので折角のカットが台無し。あー、もったいない。

続編が決定したそうなので是非次はスピルバーグ御大に監督して欲しい。

ロボット以外によかったところは ミーガン・フォックス かな。 日本のセオリーからいうと「ボンクラ少年」「ロボット」「優等生な美少女」なんだが、アメリカになると「優等生な美少女」ではなく「ビッチなおねーちゃん」しかも前科者!

この辺は日本にはないセンスで大変イカしていると思う。

(評価:★4)

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