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[コメント] RED レッド(2010/米)

も少し若けりゃわりと好みのメアリー・ルイーズ・パーカーが、ほぼ無条件にこのハゲオヤジ(ブルース・ウィリス)に惚れてしまうのが気にくわない(←怒るな)。
G31

 火薬・弾丸が無駄にふんだんな、基本的には好みの映画。目覚ましを掛けずとも6時きっかりに目を覚ますウィリスは、現役を引退した孤独な年金生活者。電話先の年金事務所の女性との何気ないやり取りが貴重で、それを楽しみにしており、わざと、だがやり過ぎないように気を配りつつ、問題を起こして話を長引かせ、淡い期待を膨らませる。これらの描写を、言葉で解説せず(のちに解説される台詞もあったが)、さらりと提示できる冒頭のシーケンスから、ハリウッド映画の基礎体力(基礎的演出技術の確かさ)をまず感じました。爆発・銃撃シーンは相変わらず過剰で、かつ抑制が効いている。爆発による火炎は画面いっぱいに広がるも、カメラで捕捉できる程度には抑え込まれている、というような。アメリカ社会はいつも銃規制が問題になりますが、ハリウッド映画ほどガン・コントロールが効いている世界もないなあ、と思わせる。おそらくこういったものが、アメリカ社会ならではのガン・コントロール幻想を支えるのだろうと思わせられました(日本だって日本なりの幻想があるだけなのでしょう)。

 出演者はお年を召した方が多く、彼らが若者並みに、というより若者以上に大活躍をする。こういう≪活躍≫を示さなければ社会の尊敬を勝ち得ないという論理構成になってしまっていて、そのあたりに矛盾というか、悲哀を感じたりもしました。が、基本的には年寄りフレンドリーなので、老齢期に差しかかったベビー・ブーマー世代を対象とし、彼らを楽しませることを狙った作品なのだろうと思います。こういう映画が増えると、ちょっと嫌だね。

75/100(11/02/11記)

(評価:★3)

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