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[コメント] 人間の條件 第1部純愛篇・第2部激怒篇(1959/日)

「中途半端な在り方」しかできない主人公・梶には終始イライラ。男・星野仙一な沖島(山村聡)に惚れたぜ。
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勿論、その「中途半端な在り方」が作者の狙いなのだろうが、僕にとって仲代達矢が苦手な俳優なこともあって、ラストまでイライラ感は払拭できなかった。

大体、主人公の身に次から次へと降りかかる試練は、試練というより「災難」の要素ばかりが目立つ。問題に対する主人公の悩み方は、どうも自己犠牲的なシチュエーションにさらすことによるマゾヒスティックな喜びにも見え、また、その問題から派生する周囲の主人公に対する冷遇も、あまりに論理性に欠け理不尽であり、どうも梶をヒロイックな存在に祭り上げ、物語を盛り上げるための作者の意図的な「作為」に思えて仕方がなかった。それに、あんな描写では「中国人って我侭だなあ」と受け取られかねない。まあ、その点も踏まえた上での「人間の條件」なのかも知れないが。

それにしても、山村聡演じる沖島は、実に魅力的なキャラクターだった。

それから、一緒に見た友人は中国語が堪能なのだが、彼女が中国語のセリフになると思わず苦笑していた。どうやら、かなりの下手さらしいです。

〔★3.5〕

[12.13.01]

(評価:★3)

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