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[コメント] 赤い天使(1966/日)

切り口のするどさがすべて。
ちわわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







作品の展開は、むしろ見るほうが恥ずかしくなるような種類だ。 特に、最後。赤面ものである。 軍人たちが戦闘で大変ななか、二人でいちゃいちゃしている姿は、 見ていてあまり気持ちがいいものではない。 特に芦田伸介演じる軍医が年齢以上に老けてみえるから、 麻薬によるインポが原因とも思えなくて、 もうお前セックスはいいだろう、と突っ込みたくなる。(失礼・・・)

西さくら(若尾)と軍医(芦田)の精神的な愛についての議論も 結局解決が出たのかどうか・・・彼がインポからなおったから彼女の 勝ちなのか??

とはいえ、楽しんだ。性の問題への探求とかそういう観点ではなくて、 「戦争」のあまり触れられてこなかった側面を問題にしていることで。

男たちが集団生活をして、生と死のハザマのような状態を生きていく ということ、これはどういうものなのか、感じさせてもらった。

両手を失った軍人の挿話あたりは、とくに出色のできだったと 思う。こういうところは、確かに鋭い。

性には肉欲としかいえない側面が確かにあって、でも現実として人間は それだけで性を捉えることはできなくて・・・そう捉えることは 社会的ではない・・・両手を失った軍人の性というのは、人間存在に備わった すごく惨めな何かを象徴しているように思われた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)irodori 寒山拾得 sawa:38[*] 緑雨[*]

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