[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)
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単純に(原作を読んだ)俺の思っていた世界と違っていて感動したポイントって「崖度」。これは世界中の多くの人が感じたと思うんだけど原作を読んでいるとロシアの平原の様になだらかな地形を想像するんだな。まあこれは本に記載されてる地図の影響がある。だって古地図の山の形なんだもん、あの「へへへ__へへ__」みたいな山の形。全然急勾配じゃないのよ。
それがこの作品、何が何でも急勾配ですよ。もう廃墟の都の横の崖なんか凄すぎ、あんな所で寝れるか?食い物落とす前にサムを落とせばいいじゃん、なんて。
あとね、ミナスティリス。これは大きすぎて驚いた。東京都庁以上あるんじゃないか?あれは明らかに税金の無駄遣いだと思うよ。 ところでイメージではローハンのショボさはぴったりだったんだがミナスティリスも同規模って思ってた。いやー凄いわ、やはり原作があっても監督の技量の差というのは思っている以上に出るものなんだろう。これ監督が岩井俊二だったらどうなったと思うよ?多分だけど3階建ての城で済ませたんじゃないだろうか、あくまで勘だが。
ところでその高さ、に対して「広さ」はどうだったのか、という疑問が残る。トールキンは完璧主義者で物語を作る為に詳細な世界設定をしている。それは登場人物の親の親の親の親まで当然のように全員設定されていたり何千年前や何千年後の歴史も設定されている部分から分かるだろう。原作の凄いところはその広さが明確に分かるところなのだ。鹿児島から北海道までせんべいだけで食いつないで旅したら大変だ、ってのは日本人ならよほどのひねくれモノでない限り分かると思う。それがね、ちょっとないんだな、この映画。
あの山から山へのろしをあげるシーン、あそこで「あ、中つ国って大きい?」って分かるようにしている程度なのだ。もっと地図をしょっちゅう見せるべき。そしてその距離がどの位かわかる比較図も欲しかった。みなさんドラクエやFFをやってる人も結構いると思うけどあれをダイジェストで場面がぼんぼん飛んだら面白いだろうか?中々進まないから旅をしている気になるしマップで世界観を把握しているからその規模も分かるのだ。そこら辺を「なんとかして」体験できる様に出来なかっただろうか。そうなのだ、今回の3部作、疑似体験の少なさに多少の不満が残る。これはNHKの大河ドラマでやるべきストーリーなのだ。(そうそう、幕末を3話完結でやった感じなのよ)
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