この映画の壊れた恋愛のどこに「いいなぁ」なんて感情を持てばいいというのだ。あんな巨乳で美人と！って事か？確かに美人だ。

そうじゃなくて。

ハンクが彼女を愛してるのは愛してるに違いないとは思うんだが、この愛って「ペット（バター犬）への愛」くさい。ま、オレ自身は人種差別に対してなんざこだわりは無いが（むしろ、人間は人間を差別するものだ、というこだわりはあるが）、この映画の二人の関係において、カレの人種差別意識が基本的に直ってないってのは問題あるだろ。ハンクは彼女以外の黒にはホントの所、「触るんじゃねぇ！」な気持ちのままだろう。もしか、このまま二人の生活が続いて、彼女が子供生んだとして、その子が黒かったらハンクは吐くんじゃないか？「げ、マジで？」みたいな。なんか虐待しそうだし。ていうか、その前に中絶とかさせそうだけど。

思うに、一般的な意味での日本人に内包されている対外人への差別ってヤツと、アメリカ中南部の黒人対白人っていう差別って、基本的に質が違うように思う。黒白の場合、同じ人間と見てない所から来てるんではないだろうか。別の動物っていうか、極端に言えば猿と人間みたいな（注意：「お互いが」です。ここを勘違いしちゃいけない）。このハンクと彼女の場合は、酔った勢いでやったら白人よりも良かった。という、バックよりも正常位の方が感じたという、どうしようもない関係なわけで、極端な話、ハンクが酔っ払った勢いで、飼ってたゴールデンレトリバー（♀）のアレに前戯なしで突っ込んだら「人生観が変わるほど良かった」てのと一緒なのだ（想像すると怖い）。

いかん、どうも極論してしまう。もっと判り易い例えを一つ。

世界うるるん滞在記て番組がある。あの、清水圭が無意味なギャグを言う番組だ（これも偏見？）。で、あの番組で、よく日本の中途半端な芸能人がアフリカのなんたら部族にステイして〜みたいな企画があるじゃないですか。ハンクからみた黒人てゆうのは、あの状況に近いのではないかと。あれ？判り易い例えとか言ってんのに微妙だ。ワカル？ま、いっか続けよう。

現地の女性陣がおっぱい出したまま布切れ１枚でウホウホ踊ってたりしても当のステイしている本人（日本人）も見ている我々（日本人）も誰も気にしてない。それって「同じ女性」として見てない証拠なのだ。まあ、モロに開いて見せられりゃともかく（＞おい）、実はセックスもできる相手なのに全くそうゆう対象に出来ないぐらい「同じ人間」に見えていないわけよ。「え？それって人種差別なの？」と思うかもしれないが、これが人種差別の根本なのだ。あ、男女逆にすると微妙か。いや、むしろ・・・・ま、いいや。この映画に話しを戻そう。ハンクからみて、「黒人女性」とは理屈では同じ人間だけど「性の対象」にはなってなかったハズなのよ。

いっそ、白黒逆の立場で撮った方が更に衝撃度は上がる。上がりすぎて賞レースもなにもあったもんじゃなくなるとは思うが、その方がこの微妙な恋愛の構図の妙が解り易くはなる。例えば、黒人の看守をマイク・タイソン。白人の母親をキッドマン。で、タイソンは「人類の祖は黒人。力も頭脳も黒人が白人を圧倒している」という人種差別主義者って所で（ありがちだ）。キッドマンがタイソンに犯されるなんて想像しただけでもいいわ＞違う。まあ、あとは判るだろう。淫欲に溺れるキッドマンがスゲェ。

さらに話し戻す。この白人映画が気付いてない点の一つに、「黒人から見た白人」は恋の対象にハナっから成っているという価値観のズレ。さっきのうるるんの例に戻っていえば、日本のイケメン若手男優が独りで現地の集団に溶け込んでいくなか、現地の族長の娘に求婚されるようなノリ。当然、日本のイケメンはマイッタナーというわけだ。逆だったら可笑しいのにな。

ちなみに黒人男性がよく白人のイケイケねーちゃんを「やっちまおうぜ」みたいに言うのは「いい女だから」というよりも「白人のすましてる女」を力で押さえ込みたいという力の欲求の方が強いのだな。「白人→黒人の差別」と「黒人→白人の差別」は原点が違うのだな。どっちが上ってこたないのにねぇ。明らかに我が日本人が上←大間違い