あまりに全体の評価が高いんで、驚きを感じるわけですが、ま、捻くれて言うんでなくて。３点でもいいけど、うーん、どーもウィルがひっかかる。素直に思った事を。

最初から「ウィルの生き方は寂しい」なんて全然おもわなかった。そのかわり、「つまらん男（人生）だな」とは思った。仕事もしないで自由に生きたい！そう願う人の最大の障害は「お金」と「家族（親）」。今回のウィルは少なくともお金には困ってない。働かなくてもいい、つまり時間は自由に使えるという事だ。その自由に使える時間を、あんな無駄にすごすなんて、なんて、なんて、なんてバカ？まあ、持って生まれたモノに近いわけだからバカというには可哀想かもしれないが、普通、自由に生きたいのには何らか理由があるべ？それが、あんな、あんな、あんな、後腐れの無い女探しな人生ってのは、正直ツマラン。ほんと、空っぽ。ムダな人生。

少なくとも映画の上ではもっと真剣に彼はこのままで充分に幸せだ、と思わせてもいいのではないか？あんなツマラン毎日を送ってる人間に対して「いいな〜」なんて思うのはそうそういないぞ。誰もが彼はこのままじゃイカン！と思わせるように仕向けてるでしょ。彼みたいな人生もイイッ！って深く考えずに言う人も多いだろうが、実際にそんな生活してみたら、つまらなくてつまらなくてってのが簡単に予想つくねぇ。

で、彼が成長してハッピーエンドな話で締めているが、成長したかもしれんが本質は全く変化してない。人との繋がりを感じる、オレは孤独じゃない。それでどうなった、と。彼の人生設計は変わったであろうが、はたして魅力的な人に変貌したのか？と。だって、友達と恋人が出来ただけの話じゃん。こんな「これからはマジメに生きます。何をやるかは今から考えます。少なくとも家庭を持って家族の為に頑張りたいです。とにかく信じてください。」の人を暖かく「良かったね！素晴らしいよ、人生！」なんて言えない。魅力ある男になろうと日々努力するカット（例えば、オヤジの上を行くミュージシャンを目指すとかさ）で終わった方が人生って感じがする。

オチとして、「男なんてアレができりゃいいのよ！」っていう後腐れの無い男を日々捜している空っぽな美女が目の前に現れるってあたりでどーだ。いや、シャレとして、ブリジット・ジョーンズが現れるって方が楽しいかな？音楽に行き詰まって、フラフラとレコード屋に入ったらキューザックがニヤリ…、ジャック・ブラックが「ウィルが来たって事で、クリスマスソングのベスト５をやろう！いやいや、お前のオヤジは偉大だぜ！」と、これもいいな。