アクションシーンばっかりで、なんというか、あまりにも内容が薄かったように思います。しかも、肝心かなめのアクションシーンも、すべてのカットであと2、3秒ずつ、ワンシーンが長かったら、と思ってしまうほどのぶった切り編集。めまぐるしすぎました。たしかに、ちゃちゃっとキレのよいアクションは最近はやりですが、ここまでカットが細切れだと、頭の中でシーンをつなぐのに精一杯で、シーンを楽しめないと思いました。

それと、今回の悪役マチューさんは、なんだかあまりにもつかみどころがなくて、がっかり。たしかにこの時代、スーパーヴィランは存在させにくいのはわかるけれども、今回ははじめて、体のどこも悪くなく（そういわれてみれば歴代ブロフェルド、ヴィランたちはかならずどこかが悪いというか、体とか顔にばっちり傷があるとかした）、たしかにまあ、悪そうな顔はしているけれども、話してみると意外と話のわかる気のいいにいちゃん、みたいなタイプで、うーん。ミスターホワイト的な人のほうが、すごく悪そうだけど、悪いだけで華がないし。

いけないとは思いつつ、やっぱり、比べちゃいました、「カジノロワイヤル」と。あちらはちゃんとストーリーもあったし、アクションはごく普通というか、王道の体をはったものが中心だったのかもしれないけど、全体的につくりが数倍丁寧だったと思う。なぜ、違う監督にしちゃったんでしょうか。続投してほしかったなあ。