[コメント] セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ(2000/米)
映画のための映画でこんなに泣いたのは初めてだった。もちろん爆笑シーンもたくさん。んー、なんてロマンチックで感傷的な映画なんだろ。誰が何と言おうとこれはロマン、とても感傷的なロマンなのだ。
最後にヤになっちゃうぐらい醜悪なバカ路線に走るところがとってつけたようだなぁ。<それはそれで好きだけど。
そして、そのとってつけた感があるからこそ、今後のジョン・ウォーターズに期待を持てるかどうかと言うと実は少し不安。すでにこの時点で「ちょっと感覚が古い?」と突っ込みたくなるところもあったし。
現在の映画のはずなのにどうもノスタルジー感が漂ってる、というのも(最近の)彼の映画の売りだからそれはそれでよいのかもしれないけど、こういう真っ向勝負的な題材の映画ではそれは致命傷になる可能性も高い。また、どうしても「実はインテリ?」といった部分が出てしまうので、それも少々作品の邪魔になっている。
やばめのカルト監督と認識しているファンからすれば違うのかもしれないけど、個人的にはこの監督の「みんな違ってみんないい by みすヾ」といったマイノリティ讃歌的なあたたかい部分が最も好きなので、その路線だけで過激っぽいところを排除して進んでくれても構わないのだがなぁ、とさえ思う。
もうそこまでは若くないのだし、一生懸命バカを装わずに彼の賢い面を存分に出してもよい頃なのに。ウッディ・アレンみたいに、もっと巧みにバランスがとれれば今後ももっと安泰だと思うのに…。
監督自身がそういう立場は望んでいないのかもしれないけど(ヒゲもあいかわらずだし)、そういう立ち位置で映画を撮る監督の作品も見てみたい。
また、残念なことに世間の扱いは違うようだが、地元意識の高さやキャスティングへのこだわりなど、アレンとの共通点は他にもけっこうあると思うぞ。
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