こんな人間もいますよ。と言うことでひとつお願いします。

前作からまったく気持ちが付いて行っていません。どのキャラにも感情移入できないまま場面があっちこっち飛びまくり、ファンタジーの元祖なのだからしょうがないのかもしれないが、展開がありきたり過ぎて魅力がまったくと言って良いほど感じられない。キャラの造詣も深いと見せかけといて実は原作のそれには及んでいない。前作はボロミアと言うキャラの造詣が原作より良かったとかんじたのだが。ありきたりなストーリーとはいえスピードに独自の解釈で緩急をつけていれば、まだそういう作品として楽しめたのかもしれないが、この世界の一員だから悪に対して皆で戦争を仕掛けなきゃだめなんだというメッセージは、時節柄かなり引いた。仲間の死も前作と違ってむりやり作ったような所がある。

ぶっちゃけ、エントに最初から特攻させといたらこの戦争そんな苦労せんとおわらすことできたんちゃウン？と一言で終わる展開が哀しい。

ゴラムのキャラは面白かったが、指輪のせいなのかもともとなのかはっきりしてもらいたい。どちらにするかで大きく意味が違ってくるからだ。もともとだとゴラムは二重人格である。で終わるが、指輪のせいだとフロドもあのようになる事を意味し人間の心は欲望に支配された悪い部分と純粋な良い部分があるなどという、じゃれごとを示唆するものになるからである。まあ、こんなことを書くまでもなく後者であることは、だいたいわかってはいる。指輪は人の欲望を増長させるものらしいからね。｢その欲望に打ち勝つ心がこの世界の悪に対抗する力になる。｣という物語の中核にあるテーマがどうも好きになれない。この性格ファンタジー向きじゃないな。