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[コメント] ふたりの男とひとりの女(2000/米)

ジムの表現力もすばらしいけど、”家族”というものの新しい考え方に激しく共感しました。
Shrewd Fellow

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画、ジムの表現力&魅力が大爆発でした。チャーリーが、スーパーでキレるところの顔なんて、見ているこっちまで同じ顔してしまうほどのスゴさ。それに、いちばん「やっぱ、ジムってスゴいんだー」と感嘆したのは、チャーリーとハンクが同時にでてきてケンカするシーン。これはスゴいです。ジム・キャリーならではですね。

ジムのスゴさもありますが、この映画には別の魅力も感じました。それは、実際今のアメリカではよくあることだと思いますが、家族でありながら血のつながりがあったりなかったりする、ということです。"We are family"というとき、日本では血のつながっている親子関係であることが第一条件っていう感じしますよね。でも、アメリカは離婚が多いし、虐待や放置なんかで捨てられる子供も多いので、血のつながりのまったくない家族もめずらしくないと聞いています。それに親子という関係だけではなくって同居人、というか友達というか、そういった関係の家族もあるそうです。前にはやったTVシリーズのFull Houseみたいな感じですね。

ただFull Houseと違うところは、親子の間で、実は生物学上の父親は別にいて、母親はその人とどっかいっちゃったよ、というちゃんとした話がまったくなされていないことです。チャーリー自身がその問題から逃げているのだから、三つ子ちゃんにもちゃんと話ができるわけもないんだけど。それでもなんでも、チャーリーは三つ子ちゃんを三つ子ちゃんそのものとして愛して育てたんだからエラい。つまり、妻が他の男と作った子供を、というのではなく、せっかくこの世に生まれてきた大切な命として、という意味です。(妻が他の男と作った子供を、というのがつくと、やたら恩着せがましくなるじゃないですか〜。)これは、もう神様の領域ですね。ウケねらいでは、ひとつきももちませんよ、男の子3人なんて・・・ほしくてほしくてやっと出来た子供を殺すひともいるご時世ですからね、チャーリーみたいに人間としてどーんと愛情を注げるというのは、やっぱりエラいと思います。また、三人の息子たちもチャーリーを父として愛し、信頼し、尊敬してる。たとえ、血のつながりはないとしても、彼らは立派に家族だし、チャーリーはあたたかい家族になるためにがんばったんだと思います。

そんなチャーリーですが、自分の問題を解決するときがやってきて、ハンク登場!アイリーンはチャーリーもハンクも両方を知る、たった一人の人、というワケなんだよねー。チャーリーとしては初めて自分を隠さなくていい女性(人間)に出会ったワケだけどね。ちょっと、ベタだけど、やっぱり、ラストシーンはうれしかったな。レニーがものすごい美人じゃない、というところに共感できるのか?それとも、やっとチャーリーにやってきた本当のシアワセがうれしかったのか?(たぶん、両方)アイリーンによってふたたび統合されたチャーリー。これから、アイリーンとホワイティー、二人家族がふえるけど、どーんとかまえて楽しい家族になってくれることを祈るばかり。Happy endingっていいですね。ほんわかしたいいキモチになります。

(評価:★3)

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