[コメント] 大鹿村騒動記(2011/日)
明日のために輝く希望や幸福など、さっさと若者たちに譲ればよい。人生のベテランに必要なのは、長年の時を経て苔むし、泥にまみれてもなお、心の底に確かに息づき続ける友情と愛情なのだ。例の無骨なユーモアで原田が笑わせてくれる。これが最後だと思うと寂しい。
人生、折り返し点を過ぎると失うものばかりで、新たに何かを得ることなどなかなか無いのだが、愛憎入り混じる治(岸部一徳)と貴子(大楠道代)の帰還に混乱する名前どおりの善人、善さん(原田芳雄)が得たものは、希望などでは決してないけれど、欠落した18年を飛び越して、残された人生を積み重ねるための糧となるのだろう。・・・昨今の私心と重なって、そんなことを考えた。
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