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[コメント] ぐるりのこと。(2008/日)

純文学映画。描写の質。豪華役者陣。
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭顔のアップと台詞回しが「日常性」を描写した映画だと思う。そこには人間とは何か、夫婦とは何か、という純文学的な志向がある。日常をきちんと生きている妻はそんなことは日常で十分なのでこういう映画は見ない。それで一人で見に行った。豪華役者陣(ペペロンチーノ氏ご指摘の通り)の演技は日常性を真っ向から描いて過不足がない。それでこちらも30年におよぶ自分の結婚生活を顧みたりせざるを得ない。その意味でとても力のある作品である。映画を見ることの悦楽を十分味合わせてくれた。満足である。

ただ私には1993年から2001年におよぶ時代設定と実際の事件を模した法廷シーンが中途半端に思えた。逃げているかどうか、と柄本明に聞かれてリリーフランキーは、判断保留したままだ。それが監督のスタンスを示しているように思った。それも一つの判断だが、時代性のある実事件を扱わずに日常性の描写を抽象化するか、まっこうから実事件と格闘するか(そうなれば別の映画になってしまうが)どちらかの方向をとってくれたら、と思いました。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)パグのしっぽ[*] 緑雨[*] 死ぬまでシネマ[*] けにろん[*] 水那岐[*]

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