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[コメント] 告発の行方(1988/米)

レイプの残酷さを描く映画は必要なのになぜ被害者がアバズレ?脚本家も監督も男だ。世間には突然犯される普通の女性が沢山いるのに、これじゃ「レイプはされる女にも問題がある」。監督の同性への弁護と女性への偏見だ。世間のためになる映画のはずが、ただの裏ビデオ。(※補足しました)
mize

 emauさんのコメントを読んで、なるほど、監督と脚本家にはそういう狙いがあったのか、などいろいろ考えさせられました。

 私としては、こういうレイプを真正面から描いた映画がそれまでなかったと思うので、この映画によって女性はもちろん男性にも、レイプがいかに卑怯な行為かを教えるためのいわば教科書的な立場を重視して見ていたので、正義を貫くべき法廷劇としての側面に目を向けていなかったのでこの評価なのです。法廷物としては確かにもっと高く評価すべきかな、と考えています。

 それに、確かにヒロインが普通の良い子だったら、偏見にあって負けそうでも貫きとおすという正義が伝わらなかったかも、と思いましたし、とにかく守ってあげたくなるような女性に描かれていたら、観客がレイプの罪そのものに対してより、個人的な怒りのほうが勝ってしまい、焦点がぼやけたかもしれないな、とも思えました。

 この映画でレイプの真実の姿を見てみよう、という人はやはり多いと思います。そのうえで、ヒロインを観客にとって過剰には感情移入しにくい人物にする事によって、レイプの酷さそのものを浮き彫りにするというのは一理ある手法ですが、ヒロインが女友達に止められても「妬いてるの?」と言いつつ男達に身体を密着させる場面などで、「レイプはされる女にも問題があるって事かな」と少しでも観客に思わせてしまった罪も大きいと思うのです。レイプは酷いけれどあれは少し自業自得じゃないかな、自分はああじゃないから関係ないな、と思った人はいたのではないでしょうか。本格的にレイプに焦点をおいた初めての映画だと思うので、そういう意味で観客に対しての責任もあると思いました。なので★1なのです。

 でもemauさんのコメントを読んで、なるほど、自分はそういう面が見えていなかったな、とも考えさせられました。投票してくれた方、後からまた付け足したりしてすみません。

(評価:★1)

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