あと、すでにおなじみのＣＭの手法「感動しました。絶対また観ます！」と言う一般客の出てくるヤツ、あれもヒットに貢献したのかな。感動したら何度も観たくなるのは判るけど、広報部の作ったＣＭで毎回あのセリフ言われると、洗脳みたいでイヤだ。

　記憶では、この映画と『タイタニック』で、初めてこのセリフが定着したような気がする。とにかく「みんながするから私も」という日本人気質に、この手の洗脳が怖いくらい効くのは判った。

　『踊る大捜査線』に限らない話になるけど、この手のＣＭにもう一つ言わせて欲しい。映画のＣＭで、その内容の素晴らしさを見せて視聴者に「あのシーン良さそうだから観ようかな」と思わせるんじゃなくて、「私は感動した」という観客たちの姿だけ映して「ほら、みんなこう言ってるよ。君も観ないと」と誘うのは、その映画を一生懸命つくった人達にも失礼だと思う。

　映画への吸引力はあくまでも「その映画の良さ」であるべき。その良さも見せずに、かわりに他人が「いい、いい」と言ってる場面だけで限られた15〜30秒をフルに使うなんて、完成した映画を最終的に観客にお届けする広報部として、恥ずべき行為ですよ。