コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ワイルド・アット・ハート(1990/米)

言うなれば、マッチ棒と灯台の違い。 本作は、リンチ監督の他作に比べると色彩が明るく、監督独特の澱んだ閉塞感が少ない気がした。その分生々しい世界を描いています。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何度もマッチを擦るシーンがありましたが、最もマッチ棒を象徴している人物は、ルーラの母マリエッタだと思う。本作は、彼女が嫉妬と憎しみのマッチを擦りながら、燃えカス同然になる過程を描いているようであった。顔を口紅で真紅に塗った様は、感情(炎)のピークを表しているのでしょう。

ルーラとセイラは、マリエッタのマッチの火で炙(あぶ)られながらも恋を成就する。ラストの「ラブ・ミー・テンダー」は、感動的なハッピーエンドのようですが、ルーラにとって恐ろしい魔女でもあると同時に、セイラとの恋に炎をともし続けてくれた母マリエッタから解放された、即ち自分たちの力で灯火を保てるようになった、そんなことを表しているように思えた。2人が立つ車の周りをぐるぐる回る映像は、そんな灯台の光を見ているかのようだった。

あと付け加えるならば、デフォーの最期はまさにマッチ棒。火をつけようとしたら頭が取れちゃったみたいな・・・。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)DSCH[*] 赤い戦車[*] ジェリー[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。