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[コメント] ロボコップ(1987/米)

この映画を観て、ポール・バーホーベンと言う監督を知った。それだけで充分すぎるほど充分。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 とにかく物語、設定共にアラが無茶苦茶多いのだが、だけどそれを上回る馬鹿をやってくれるため、けなす一方、褒めてしまうと言う困った監督さんなのだが、この作品にはそのバーホーベン調が余すところ無く飛び交っている。

 人間の頃のマーフィーは、子供に見せつけるためだ。と自慢げにホルスターさばきを見せるのはともかく、車から乗り出して2丁拳銃をぶっ放すとか(ご丁寧にも身が退けてる)、バックアップもなしに敵がうようよしているビルに入り込むとか、自殺願望?とか思っていたものだが、そんなのはこの映画では枝葉末節。

 その後でリンチ気味にマーフィーが殺されるシーンは文句無く凄い。わざわざスローモーションにしてまであんなシーンを撮ってくれる監督には脱帽。更にロボコップとなって戻ってきたマーフィーの冷酷無情さ、拳銃から出るマズルフラッシュの美しさ。馬鹿センスが行き着いた感があり。環境保護団体の人が見たら卒倒しそうなテレビから流れてくるブラックなギャグセンスも良い。

 ストーリーに関しては健闘していたと思う。ロボコップを巡っての様々な利害関係が絡んでいるのに、すっきりとまとまっているし。

 ちなみに後半になって有機溶剤に落ち込んで体中に皮膚が融けた人間が出てくるが、これはバーホーベン監督に「融けた人間が観たい」と言う投書があったので作ったのだとか。ちゃんとファンの事も考えているのも嬉しい(物語上必然性が無いと言う問題はあっても)。

(評価:★4)

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